先月、Linux Mint 15 “Olivia” KDEがリリースされた。
Linux Mint 15 “Olivia”シリーズは、Ubuntu 13.04をベース(Debian TestingベースにしたLMDEもある)にしたディストリビューションで、CinammonやMATEという独自のデスクトップ環境の他に、 XfceやLXDE、そして今回レポートするKDEなど、デスクトップ環境別にリリースされることになっている。
Linux Mint KDEのインストール
ということで、先ずは、Linux Mintの公式サイトからDVDイメージをダウンロードして、インストールDVDを作成。
作成したDVDでPCを立ち上げ、デスクトップ上にあるInstall Linux Mintアイコンをダブルクリックする。
最初は言語の選択。EnglishをJapaneseに変更する。
「続ける」ボタンをクリックすると、インストール準備画面に移動する。3つの項目にチェックマークがついていることを確認して次に進む。
インストール先の選択。手動ラジオボタンを選ぶと、細かく設定ができる。
ここから先は、タイムゾーン、キーボードの設定、ユーザー情報の入力と順番に進んでいく。「Linux Mintにようこそ」という画面が表示されたら、後はインストールが完了するのを待つだけ。
日本語環境の構築
インストールが完了したら、日本語環境を構築するため、Linux Mint Japanのデポジトリから追加パッケージをインストールする。
$ wget -q http://linuxmint-jp.net/linuxmint-ja-archive-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add - $ sudo wget http://linuxmint-jp.net/sources.list.d/linuxmint-ja.list -O /etc/apt/sources.list.d/linuxmint-ja.list $ sudo apt-get update $ sudo apt-get dist-upgrade $ sudo apt-get install mint-kde-ja
Gimpの日本語化とiBusの問題
日本語環境を構築が終わって、しばらく使っていると、Gimpが日本語化されていないことに気づく。EditメニューからPreferences中のInterfaceを選択を見てみると、Languageの欄がSystem Languageになっている。
この設定自体には、問題がないので、やはりこれは、Linux Mint KDE側に問題がある模様。いろいろと調べてみたが解決しないので、取り敢えず、いったんGimpを削除して、Gimpの公式リポジトリから多言語版を再インストールする。
$ sudo apt-get remove gimp $ sudo apt-add-repository ppa:otto-kesselgulasch/gimp $ sudo apt-get install gimp
ヘルプ→「このアプリケーションについて」をクリックすると、Gimpのバージョンが2.8.4から2.8.6にアップグレードされる。
また、タスクバー上にiBusアイコンを表示できないという問題もあったが、こちらは端末から、ibus-setupと打ち込めば、何とかなる。
リッチなUIと壮大なビジョン
日本語環境については、多少、荒削りなところはあるものの、基本機能には致命的な問題もなく、快適に動作している。Linux MintのKDEバージョンは4.10で、消費メモリは、Ubuntu 13.04のUnityシェルよりわずかに少なめだった。まあ、これについては、KDEがシェイプアップしたというより、Unityシェルが重たくなったというのが正解だろう。
もちろん、リッチなデスクトップ環境でコンピューター資源を消費するのはもったいないという考え方もあるだろうが、機能的で美しいUIは仕事の能率をアップさせ、斬新なアイデアを生み出すきっかけとなることもある。また、クロスプラットフォーム(バージョン4.0以降のKDEはWindowsやMac OS Xでも動作する)という壮大なビジョンは、そのリッチなUI以上に贅沢な気分を味わえるかもしれない。
なお、Ubuntuベースのディストリビューションで、デスクトップ環境がKDEといえば、Kubuntuがあるが、私のノートPCとは、何故か相性が悪いようで、インストール完了後に、無線LANが使えなくなるという問題が生じる。何度か再インストールしてみても、問題は解決しなかったが、Linux Mint KDEではこの問題は起こらなかった。Kubuntuで同じような問題に悩まされている人は、一度Linux Mint KDE試してみることをお勧めしたい。